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FireFoxの製品の対価とは?

法律の解釈からは、本体のライセンス料が無料なだけ

よくある勘違いに「ファイアーフォックスのロゴが入った製品をどのような形であれ有料で代金を回収することは禁じます」という説明について、誰か知り合いのパソコンに、便利だからインストールして手伝ってあげたら、コーヒーおごってもらってしまったけど、それは「受け取ると違法なの?」という、なんとも奇妙な相談があるそうです。

今日のPCドクターの講習会の内容でした。いわゆるオープンライセンスが訴えられる法律の範囲ね

これは、単純に言って「商品無料」と同じで考えるものだそうです。また著作権と商法は別物ですが、著作権が「料金を何らかの形で関係性を主張して無料化(相手の代価を盗む行為)」をしてはならない決まりがあります。

そう、著作権は私のものだ! は、正しく主張できますが、

だから、金払え!または金を無料化しろ!は、商法の扱いなので著作権法では主張できません

著作権の主張とは、つまり「代金は関係せずに」相手に「撤去を求める」「名前の表示を求める」というどちらかになります。そこに代金だのはまったく関係ありません。それは商法の扱いです。著作権と商法は因果関係が多いので、混同しがちではありますが、別のものですから、著作権に触れたからと言って、いきなり賠償請求を求めたり、強制的な無料施行を強要する(相手の利益を損害させる行為)は出来ません。

ファイアーフォックスも同じで、自社はその本体製品アプリケーションについて「利用ライセンスを無料化」という主張は認められますが、それを配布した相手や、インストール代行した業者、またシステム修理業者が再インストールした「手間賃」までを「無効化」する強要権利はありません。

まあ、商品でいえば、無料の花束として、いくらでも花は無料でもっていっていいですよ、と配布されていながら、それならこれをプレゼントで綺麗な包装をして遠隔地に発送して頂きたいので、ファイアーフォックスさん、そのラッピング料と配送料も無料にしてアナタがやってくださよ、と依頼したとしたとき、それは自費でやってください、と拒否られるわけですが、なら、自費で配送業者にお願いすることにしました、と返事をしたら、ファイアーフォックスのブランドはそうした料金もすべて無料にするよう主張しています、と言われても、

じゃあ、誰が金はらうんだよ?

ということになり、商法が成立しないわけです。つまり、ファイアーフォックスは「中身の花」までは無料であって、それをラッピングしたり遠方に配送したりする費用についてまで「とやかく言う権利は一切無い」というわけです。それを勘違いして、ファイアーフォックスのロゴが入っていたら、一切の料金を受け取ってはならない、という公式サイトの説明を「勘違い」して、インストール代行料やシステム修理による再インストール料も取ってはならない、と早合点してしまうとアウトです。

パソコン修理業をやっていますが、ウインドウズの再インストールやファイアーフォックスの再インストールなど、HDD故障したり、新品の買い替えになれば、いろいろな作業代行料が発生します。お客様も、自分でそれらを組み込める人も少なくなっており、インストールを代行してほしい、再設定してほしい、といった「ハードのみならずシステムの修理」も最近は要望が多くなっています。

では、ファイアーフォックスだけは、再インストールして、何らかの修理代を請求するだけで、HDDのパーツ代も含めて、修理屋が起訴告発されるので、ファイアーフォックスだけは自分でやって頂いて、それで調整が失敗して不具合が出ても、知らないので・・・というわけにはいきませんし、それでHDDパーツ代まで回収できないほどの「拘束力の強いロゴ主張」が法律で認められているとしたら、それこそ独占禁止法にもひっかるでしょうし、他のライセンスにも抵触してしまうことでしょう。

つまり、ファイアーフォックスをインストールしただけで、ウインドウズの料金もビルゲイツはお客に返金しなければならないことになります。

もちろん、そんな解釈はおかしいわけで、破綻しています。

ファイアーフォックスが禁止できるのは、本体のブラウザ製品のライセンス料について、これをライセンス料として、また利用料としてお客に請求してはならない=無料化、というところまでであり、システム修理による再インストールの作業料や、リモートインストールによるサーバー接続料などは、どのような業者でも自由に請求することが出来ます。

酒を飲みに行ったときに、これは友達に借りた無料のクルマだからと、運転代行業者に対して、無料でサービスしてよ!金とっちゃいけないんだぞ!と主張しても、まったく意味のない話です。確かにクルマは無料かもしれませんが、それを維持したり、動かしたり、管理したりするための料金は「ライセンス(著作権)」や「ロゴ権利(著作権)」また特許があれば「パテント」にはまったく関係しない「ベツモノ」としてコンピュータも考えられており、例えばHDDを動かすドライバーひとつとっても、それを他で使う時に、いちいちライセンスを確認したり、その実施料を計算することは無いのと同じです。

どのような形であれ「ファイアーフォックス利用料として金銭を徴収してはならない」これだけしか主張はできません。

リモートでインストールするサービスが有料でDELLなどから登場したことで、海外ネットが騒いでいますが、やはり海外の弁護士の見解もこれと同じでした。つまり、リモートでアプリケーションを代行インストールするサービス料を請求するのは、どのような無料化主張をされた製品でも、それとこれはまったく別のものであり、関係ない、というわけです。

某ボランティア団体の非営利の人が、困っている人たちのために、クルマは無料で提供したとしても、だからといって「ガソリン代まで燃料屋にボランティア組織が全額無料を強要する」というのは話が違う、ということです。


という、パソコンドクターの「最近のITニュース」のセミナーでした。 いろいろ話が聞けて楽しめました。

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