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素晴らしい手抜きは文化

まさに用語の変化と時代の価値観、それが「手抜き」

「手抜き(つまりインスタント)=即席」という言葉

手抜き=するべき手続きや手数を省くこと。インストタント工法など。

手抜きはずばりインスタントという意味なんだけど、「手抜き」と言われて感じを悪くする人がいるようだ。

例えば、インスタントラーメン(手抜きラーメン)って言われても、即席ラーメンはあまり「嫌な商品」というイメージは無いですし、むしろ「どれだけ手抜きになっているか/どのくらいインスタントか」が重宝されるのが「手抜きラーメン」の最大の価値ですよね。

手抜きで「悪いデザインだ」とか「悪い味だ」と言うのであれば困ったものですが、手抜きで価格も安く、見た目も美しいなら「素晴らしいインスタント技術だ」とむしろ喜ばれるのが人間の社会。

現像せずに、その場で写したシーンが写真になる「インスタントカメラ」など、まさに現像屋に行かずに「手抜き」できることに価値が称賛される。

手抜きのデザインでも、美しくて、工数が少ないから安い!

というものは、安価な著作権フリーのデザインなどでかなりもてはやされる。どれだけ手抜きで作られているか、それがまさに料金に反映されるわけなので、いかに「手抜きデザイン=つまり安価/手抜き」なのかが最大の魅力である。

高い著作権フリーのデザインなら魅力が無いからだ。

そうした「しっかり作られた手抜きじゃないデザイン」のデータCDが1枚「200万円」だったら、きっと誰も買わないし、魅力すら感じない。

美しい手抜きのデザインで、1枚1980円で3万点もデータが集録されていればいるほど魅力なのだ。

もちろん手抜き工事で事故が起きるのはナンセンス
しかし過剰にていねいでバカ高いのもナンセンス。

いかにほどよく手抜きであって時間や料金が安くて美しいか、それが魅力。似たような「手抜きの価値」としては、カップラーメンを代表に、回転寿司もあれば、コンビニなどの弁当もまさに「手抜き(インスタント料理)」の典型だろう。

入れ物を本来の食のマナーを重視すれば「瀬戸物ドンブリ」にすべきところを、軽くてスカスカですぐに割れてしまう発泡スチロールで器を作り、量産システムで作った具材をつめるだけ詰めてラップでフタをするだけのインスタント料理だ。

出前なら本格的なドンブリを使うので食器の回収という手間があるが、コンビニのインストタント弁当には「食器を回収する手間」がまさに手抜きになっている。その「手抜き」が魅力なのだ。

手抜きで味がまずいのはダメだが、手抜きで美味しく、安いなら、人々がそれに「価値」を見いだす、といったところ。だからこそ「手抜き」という表現が、すべて悪いことを示すわけではないことを理解しておきたいものです。

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