湯田川温泉小唄の歌詞に添えて
昭和6年当時の湯田川温泉を解説した文面を手にしました。
歌詞をじっくりと読み返しながら
80年前の湯田川は粋な温泉街だなぁと感じています。
湯田川温泉小唄 作詞 松田啓治
ハァ〜 手負い白鷺 葦間に降りて
出湯に湯浴みし いひ伝え いひ伝え
湯田川ヨイヨイ ヨイトコセ
この章は湯田川人なら誰でも読みとれる歌詞でしょう。
湯田川に伝わる温泉を発見した由来ですね。
傷を負った白鷺が沸き出る温泉で湯浴みしていたと詩っています。
ハァ〜 田川堤(つつみ)で 鯉釣る主の
すわる釣竿 ゑびす顔 ゑびす顔
湯田川ヨイヨイ ヨイトコセ
※すわる=撓る(しなる)の方言
「明治40年ごろに防火用水の溜池として作られた堤がある。」
鯉が泳ぐ鑑賞池として私も紹介している堤です。
「この堤を単純な水溜では能が無いので、鯉を飼育し
毎年秋には鯉釣り大会を催して近隣の町村から大勢の釣客が集った。
湯田川は賑わい旅館も賑やかであった。」と記されています。
この解説を読み、もう一度歌詞を読み返すと粋な湯田川温泉の姿が見えてきます。
ハァ〜 誰が名づけた 一本松と
女男(めおと)抱き合う 二本松 二本松
湯田川ヨイヨイ ヨイトコセ
「昭和初期までは枝振りの良い松の大木が二本あり、
鶴岡街道の上を覆いかぶさるようにあった。
昔から二本ある松をなぜ一本松と呼ぶようになったのか。
一本は枯れてしまい名実共に一本松となってしまった。
俗称の地名として一本松はバス亭及び旅館の名にして残る。」
松の木に纏わる話しも時代と共に状況が変ってきていることが伺えます。
二本の松があった当初から一本松と称していたのでしょうか。
そして歌詞を解説された時には一本の松は枯れてしまっている。
また現在では一本松の旅館も残っておりません。
今後も湯田川温泉小唄の歌詞を辿り歴史を探ってみたいと思います。
湯田川く温泉小唄
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湯田川く温泉小唄